支払いが遅れているため回収の準備をしたい
取引先から報酬が支払われないかもしれない
いま何かできることはある?
取引先の支払いの遅延が生じているような場合は、取引先の資金繰りが危うくなっている可能性が高いため、このまま売掛金が支払われない可能性があることも念頭において動かなければなりません。
取引先に信用不安がある場合のチェックリスト
信用に不安のある(売掛金が支払われないかもしれない)取引先が存在する場合には、以下の項目をチェックした上で、弁護士に相談し、回収の準備に向けて動き始める必要があるでしょう。
- 契約書・発注書などの基本的な書類はあるか
- 通常の取引の流れはどうなっていたか(注文方法・契約書作成の有無・支払時期や方法等)
- 契約の内容そのもの(金額や商品の個数、業務内容等)に争いになりそうか
- 今までに支払いの遅滞はあるのか、支払いの遅滞があるとしてどの程度か
- 取引をしてきた期間や回数はどれくらいか
- 売掛金の額はどの程度か
- その他取引先の状況はどうなっているか、自社の従業員が何か取引先の現状に関する情報を持っていないか
債権回収前の事前準備も重要
債権回収においては情報収集が非常に重要です。
取引先の情報は多いにこしたことはありません。できる限り幅広い情報を多く集める必要があります。
また、情報の量とともに重要なのが情報の信用性です。例えば、「あの取引先はもうやばい」「来月資金ショートするらしい」みたいな情報はよく出回ります。
火のないところに煙はたたないということもあり、債権回収の見通しをつける初期の段階では、そのような情報も有益であることは間違いがありません。
しかし、特定の情報を信用し過ぎてしまうと、その情報が虚偽であったり、根拠が全くないものであったりしたような場合には、債権回収において足元を掬われかねません。
債権回収の見通しを立てるにはその情報がどれくらい信用できるのかという観点からも様々な可能性を検討して、最も大きな金額を早期に回収する手段を検討することが肝要です。
普段からの取引先の情報収集も重要
取引先の支払遅延が生じそうになった場合に債権回収を円滑に行うため、普段から取引先の情報収集をしていくのも効果的です。
まず、その取引先についての登記事項証明書の入手や本店所在地等の不動産登記事項証明書の入手などの情報を入手することは基本と言えます。
取引先と支払についての協議ができるような段階であれば、今後の支払い等に関しての見通しをつけるために、決算書や毎月の収支表などの資料を交付してもらうことを考えるとよいと思います。
決算書からは、会社の財産状況が把握できますし、決算書の勘定科目内訳書まで取得できれば、会社が保有する財産の具体的な内容を把握することができることもあります。
そのため、信用不安にある取引先においてはできる限り決算書等の資料を取得しておきたいところです。
費用はかかりますが、信用調査会社による調査書を入手することも有益です。信用調査会社からの調査書には、会社の概要、登記情報の概要、経営者に関する情報、仕入れや販売先についての情報、財務や収益関係の情報、決算書に関する情報などが記載されていることが多いです。これらも、債権回収の際に有効になることが多い情報です。
さらには、現地調査(会社の訪問)も検討するとよいでしょう。現地に赴くことで、会社の雰囲気がわかりますし、一度でも行っていれば、支払いがされなくなった際に、会社の普段と異なる状況だということに気がつくこともあります。
また、取引先と訪問や面談を重ねることで、信頼が積み重なったり、この取引先は面倒だいいかげんなことはできないと思わせることで、資金繰りが悪化してしまった際に、他の取引先に優先して支払ってくれることもあります。
このように、普段から取引先と適切なコミュニケーションを行い、情報収集を怠らないことで、債権回収の成功率を上げることができます。
当事務所の基本方針
債権回収においては、売掛金の未払いが生じてからの対応だけでなく、取引先の信用不安の兆候を早く掴んだり、取引先の資金繰りが苦しくなっても他の債権者に先立って回収する準備をしたりしておくことも重要です。
債権回収の準備、未払いの予防や安定経営に向けた企業体制の構築などをサポート致します。
取引先の資金繰りが危うくなってから適切に対応することはもちろんですが、未払いが生じにくい、信用不安の兆候を見抜ける仕組み、信用不安の兆候が出てからすぐに動ける仕組みを構築することも効果的だと思っています。
そのような企業体制を会社と一緒に作っていきたいと考えております。
債権回収でお困りのことがございましたら、ぜひ一度ご相談いただければ幸いです。
顧問契約のご案内
牧野太郎経営法律事務所は、企業が、売掛金の未払い問題を予防・解決し、より経営的にも成長していくことができるようなサポートをしていきたいと考えています。
債権回収以外にも、さまざまな法的問題、例えば労務問題等に適切に対応いたします。また、企業の発展に向けたさまざまなサポートを用意しております。
顧問契約についてもぜひ一度ご検討いただければ幸いです。
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