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英文読解力を効果的に伸ばす5ステップ指導法

右肩上がりのグラフをと講師のイラスト

【はじめに】

牧野英語・国語塾のコラムをご覧いただき、ありがとうございます。今回は、多くの英語学習者が課題と感じる「英文読解(リーディング)」について、その能力を効果的に伸ばすため、「トップダウン」および「ボトムアップ」という情報処理のアプローチを根底とした5ステップ指導法をご紹介します。

「英語の長文になると、途中で内容が分からなくなってしまう…」
「読むのに時間がかかりすぎて、試験で最後まで解ききれない…」
「単語や文法は勉強しているのに、文全体の意味が掴めない…」

英文読解に関するこうした悩みは、非常によく聞かれます。
これらの多くは、そもそも1つ1つの英文が読めていないということが原因の場合が多いと思います。
英文読解のトレーニングとして、英文を読む際に、細部から意味を積み上げる「ボトムアップ処理」(単語・文法解釈など)と、背景知識や社会常識から全体像を推測する「トップダウン処理」(予測・大意把握など)の双方を意識することで、英文読解の実力を効果的に伸ばすことができます。
効果的な読解指導や自習では、これら両方のアプローチをバランスよく、かつ段階的に活用していくことが鍵となります。

【5ステップ指導法について】

それでは、トップダウン・ボトムアップを意識した5ステップ指導法の内容を見ていきましょう。

Step 1: Introducing the topic(トピック導入)-読む前の準備運動

  • 目的: 本文を読む前に、テーマへの関心を引き出し、関連する背景知識(スキーマ)を活性化させます。これから読む内容について予測を立てることで、脳が情報を受け入れやすい状態を作ります。これは、背景知識や文脈から内容を推測する「トップダウン処理」を活性化させるための重要な準備段階です。
  • 活動例: テキストのテーマに関連する写真やイラストについて話し合う、タイトルや見出しから内容を予測する、テーマについて知っていることを挙げてみる。

Step 2: Pre-teach vocabulary(重要語彙の予習)-読解の障害を取り除く

  • 目的: 本文をスムーズに読み進める上で、理解の妨げとなりそうな重要な語彙や表現を事前に確認します。未知の語彙という障壁を取り除くことで、読解中は意味の流れを追うことに集中しやすくなります。これは、単語という基礎的な構成要素を理解する「ボトムアップ処理」を円滑にするための準備と言えます。
  • 活動例: 鍵となる単語の意味を推測・確認する、文脈の中での使い方を短い例文で見る、発音を確認する。(ポイント:全ての未知語ではなく、文脈理解に不可欠な語彙に絞ることが効率的です。)

Step 3: First reading for general meaning(大意把握のための速読 – スキミング)

  • 目的: 細かい情報にはこだわらず、文章全体の主旨、トピック、大まかな構成などを素早く把握する練習です。ここでは、個々の単語や文法にこだわりすぎず、「トップダウン処理」を積極的に使って全体像を捉えることが求められます。
  • 活動例: 短い時間制限の中で文章全体に素早く目を通し(スキミング)、各段落の主題を探す、文章全体のテーマを選ぶ、著者の主な主張や目的を大まかに捉える。
  • フィードバック: 全体像を掴めているかを確認します。

Step 4: Second reading for detailed understanding(詳細理解のための精読)

  • 目的: 全体の流れを把握した上で、今度は文の構造や細かな情報、論理的な繋がりなどを正確に理解することを目指します。ここでは、単語や文法を正確に解釈する「ボトムアップ処理」と、文脈から意味を推測したり補ったりする「トップダウン処理」の両方を連携させることが特に重要になります。
  • 活動例: 内容に関する具体的な質問に答える、指示語が指すものを特定する、接続関係を示す語句に注目する、複雑な文の構造を分析する(SVOCなど)、本文の内容と合致するかどうかを判断する。
  • フィードバック: 根拠を示しながら、情報の正確な読み取りができているかを確認し、必要に応じて解説を加えます。

Step 5: Follow-up activities(読後活動 – 応用)

  • 目的: 読解を通してインプットした内容や語彙、表現をアウトプット(話す・書く)を通して自分のものとして定着させ、応用力を養います。
  • 活動例: 読んだ内容についてディスカッションする、自分の意見や感想を述べる/書く、文章の要約を作成する、学んだ語彙や表現を使って関連テーマで文章を書く。

【トップダウン・ボトムアップをバランスよく鍛える5ステップ】

この一連のステップは、単に英文を読む手順を示すだけでなく、読解に必要なトップダウン処理能力とボトムアップ処理能力を、バランスよく効果的に鍛えるように組み立てられています。

  • Step 1(導入)と Step 3(大意把握)は、主にトップダウン処理(予測力、大意把握力、速読力)を強化します。
  • Step 2(語彙予習)は、ボトムアップ処理の基礎となる語彙力を支えます。
  • Step 4(精読)は、ボトムアップ処理(正確な語彙・文法解釈力、構文把握力)を深く鍛えつつ、文脈理解のためにトップダウン処理も活用する、両アプローチの連携が最も求められる段階です。
  • Step 5(応用活動)は、両アプローチを通じて得た理解を、アウトプットによってさらに確かなものにします。
    このように両方のアプローチをバランスよく鍛えることで、読む速さと正確さを両立させ、様々な英文に対応できる柔軟な読解力を育てていきます。

【牧野英語・国語塾での読解指導】

牧野英語・国語塾では、このトップダウンとボトムアップのバランスを常に意識し、効果的な読解指導を行っています。

  • ボトムアップの基礎徹底: 特にStep 4(精読)で重要となる、正確な文構造把握(SVOC分析など)や論理関係の理解に必要な基礎文法力・語彙力を、日々の授業で丁寧に指導します。
  • 国語力との連携: 文章全体の構成を捉える力、文脈を読む力、論理的に考える力は、国語の読解指導とも密接に関わります。当塾では、国語と英語の両面から、本質的な読解力の向上を目指します。
  • 個別フィードバック: 生徒一人ひとりがどこに課題があるのかを見極め、弱点を克服するための個別のアドバイスや課題を提供します。

【最後に:プロセスを意識した読解学習を】

英文読解は、単なる文字追い作業ではありません。トップダウンとボトムアップという二つのアプローチを駆使し大意把握、詳細理解へと至る一連のプロセスです。今回ご紹介した5つのステップを用いて英文読解に取り組むことで、読解力の向上が見込まれます。
牧野英語・国語塾では、皆さんが英文読解力をしっかりと身につけ、自信を持って英文を読みこなせるようサポートしていきます。読解学習の方法でお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。(名古屋市西区、浄心駅近くにございます)
トップダウンとボトムアップをバランスよく活用し、確かな読解力を一緒に築いていきましょう。

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